衰えた毛根を再生させるHARG治療!メリットとデメリット

AGA(男性型脱毛症)のため、多くの人がAGAクリニックをはじめとする医療機関で治療を受けています。

しかし、処方されるミノキシジルやフィナステリドなどの治療薬の効果がイマイチ表れないと感じていたり、薬剤の副作用に悩んでいたりする人もいるのではないでしょうか。

AGA治療においては最近「HARG療法」なるものが注目され、多くのAGAクリニックで治療が行われるようになってきています。

HARG療法を一言で説明すると「頭皮に成長因子を注入することで毛根を活性化させ、髪が生えてくるようにする」というものです。

ただ、これだけだと「成長因子って何?」「どうやって毛根を活性化するの?」といった疑問が生じてくるでしょう。

HARG療法で使用される「成長因子」

まずは成長因子についての説明から行っていきましょう。

成長因子とは、細胞や組織の成長を促すタンパク質のことです。

人間の身体の成長を司っているのは、脳下垂体から分泌される成長ホルモンです。

成長ホルモンは20代を超えると分泌量が減少してしまい、老化の原因のひとつになります。

この成長ホルモンの働きを助けることで、老化で衰えた細胞や組織を活性化させ、アンチエイジング効果を発揮してくれるのが成長因子です。

ただ、成長因子にはいろいろな種類があり、当然のことながら効果も違います。

肌に効果があるものもあれば、血管や筋肉、神経細胞の再生に力を発揮するものもあります。

HARG療法に使用されている成長因子は、毛髪の再生に効果があるものです。

毛母細胞の増殖を促す成長因子

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HARG療法で使用されているのは繊維芽細胞成長因子(Basic FGF)です。

これは毛母細胞の増殖を促す働きがあります。

毛母細胞の増殖が促進されるということは、毛髪の基となる細胞が増えるということです。

これにより、毛髪の成長が促進され、丈夫な髪が生えてきます。

ただ、毛母細胞の増殖が促進されても、髪の毛を作るもととなる栄養分(例えばタンパク質の一種であるケラチンなど)が足りなければ育毛効果は不十分になります。

これに対応しているのがケラチノサイト成長因子(KGF)です。

この成長因子はケラチンを生成する細胞を活性化させます。

細胞の活性化によって潤沢なケラチンが得られ、毛母細胞の増殖を助けてくれます。

毛包の働きを活性化することで髪の成長を促してくれるのが生体細胞成長因子(HGF)です。

この成長因子の働きによって、休止期の毛包が活発になり、髪が伸びやすくなるのです。

そして、トランスフォーミング成長因子(TGF beta1)によって毛髪のサイクルを正常化させます。

AGAの影響でうまく育っていない毛髪が抜けるのを促進し、新陳代謝をアップさせることで、その毛根により丈夫な毛髪が生えてきやすいようにするのです。

ケラチンをはじめとする栄養素を頭皮に運ぶためには、血行と頭皮環境の良化が鍵を握っています。

これに対応しているのが血管内皮細胞成長因子(VEGF)と血小板由来成長因子(PDGF)です。

VEGFは毛包に栄養を与えるための血管生成を促進する働きがあり、これによって栄養分がしっかりと毛包に行き渡るようになります。

PDGFは血管を作る働きに加え、ダメージを受けた毛包などを再生する働きがあります。

これによって頭皮環境を整え、抜け毛を防止できるというわけです。

そして、活性酸素除去成分(SOD)によって頭皮の老化を防止します。

活性酸素は細胞にダメージを与え、老化の原因を作りだしてしまう要因の一つです。

この活性酸素を除去することで頭皮の老化を抑え、脱毛を防止してくれます。

こうした成長因子や栄養分などを組み合わせたものをHARGカクテルといい、これを頭皮に注入することで毛髪の成長を促すのが「HARG療法」です。

HARG療法のメリット、毛根再生

HARG療法は、従来医療機関で行われてきミノキシジルフィナステリドによる投薬治療法と比較して、どのようなメリットがあるのでしょうか。

まず、衰えた毛根を再生させる効果があることです。

フィナステリドはあくまでも男性ホルモン由来物質・ジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑制して抜け毛を抑える治療薬です。

ミノキシジルも効果としては、頭皮の血管を拡張することによって血流を良化させて毛根に十分な栄養を与えるだけで、衰えた毛根を再生は難しいです。

これに対して、HARG療法で使用されている成長因子のBasic FGFには毛母細胞の増殖を促進させる効果がありますし、PDGFにはダメージを受けた毛包の再生を促す働きがあります。

これらの働きによって衰えた毛根を再生するのです。

女性のFAGA(AGA)を治療できるのもメリットです。

男性ホルモンは女性の体内にもあり、由来物質であるDHTも生成されてるため、女性ホルモンの分泌量が低下してDHTの働きを抑えられなくなるとAGAを発症するケースがあります。

女性の場合、抜け毛を防止するフィナステリドの服用が認められていません。

妊婦が摂取することで胎児に副作用が出る可能性が指摘されているからです。

その点、HARG療法には副作用がありませんので、実際に女性に対してHARG療法を行っているAGAクリニックもあります。

ミノキシジルには頭皮のかぶれや湿疹で、頭皮環境が悪化してしまうという副作用があります。

フィナステリドは抑鬱症状や勃起障害(ED)などの副作用が確認されているため、若い男性にとっては悩みの種になってしまいます。

HARG療法にはこうした副作用が確認されておらず、安心して治療を受けられるのは大きなメリットだといっていいでしょう。

治療費が高額になってしまう

HARG療法にもデメリットがあります。

ひとつは、比較的新しい治療法であるため、どうしてもコストがかかってしまうという点です。

AGAの治療は健康保険の適用対象外ですので、医療機関によって価格差があります。

そのことを踏まえた上で書くと、一般的なミノキシジルとフィナステリドによる治療の場合、治療費は月額1万~2万円といったあたりが相場です。

ところがHARG療法の場合、1回の施術で8万~10万円もかかってしまうのです。

最終的には6回程度の施術が必要になってくるとされており、トータルでは50万~60万円もかかってしまいます。

ミノキシジルとフィナステリドを処方してもらった場合の2~3年分です。効果があってもこの出費は、かなり痛いのではないでしょうか。

それだけお金をかけても、AGAの進行によって毛根が死滅してしまっている場合は、HARG療法の効果が期待できません。

HARG療法にできるのは衰えた毛根を再生させることであって、死滅した毛根を生き返らせるのは無理です。

こうなると植毛を行うか、現在研究が進められているiPS細胞による再生医療の実用化に期待するしかなくなってしまいます。

月1万~2万程度ならともかく、高いお金をかけて効果がないとなれば、メンタルにもお財布にもダメージは大きいのではないでしょうか。

HARG療法は、現状ではミノキシジルの効果が期待できないケースでも効果があるとされており、有力な治療法ではあるのですが、完全ではありません。

無駄金を使うことになってしまわないよう、医療機関と十分に相談したうえで行うのがいいのではないでしょうか。

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