AGAクリニックの検査でAGA(男性型脱毛症)と診断された人は、AGA治療薬を処方されてから治療が始まります。
AGAは対策だけでは発毛して来ない脱毛症ですから、AGAと診断された人は治療薬を使用しなければ「発毛してこない」とも言えます。
AGAの進行状態やAGA治療薬を選択するための検査結果を踏まえた上で、医師と治療者が治療方法を相談し治療者が決定してから治療が開始されます。
AGA治療薬には、保険の適用がありません。
それ以外にも重要なことがあります。
・医師の処方がないと購入することができないこと
・肝機能の状態が健康であるか調べてから処方されること
AGA治療薬は、肝臓機能に負担を与えるため肝臓が弱い人には副作用を出すことから服用する前には血液検査などを行って健康状態を調べてから処方されます。
*肝機能に問題がなければ副作用の心配は薄いです。
*肝機能が弱い人でも医師の判断で処方されることもあります。
今回は、AGA治療薬の発毛効果や注意点について詳しく解説したいと思います。
複数の種類があるAGA治療薬
AGA治療薬の種類は2種類と、とても少ない治療薬で効果を現しています。
AGA内服薬の成分や配合量
治療薬名 | 配合量 | 効果 |
プロペシア | 1mg | 5αリダクターゼⅡ型に効果を現します。 |
ザ・ガーロ | 1mg・5mg | 5αリダクターゼⅠ型Ⅱ型両方に効果を現します。 |
AGA治療薬は1ヵ月単位で処方され毎日1日1回欠かさず服用します。
外用薬の成分や配合量
治療薬名 | 配合量 | 効果 |
ロゲインフォーム | 5%、2% | 5αリダクターゼⅡ型に効果があります |
但し、ロゲインはミノキシジルを中心にした治療薬なのでAGA初期の人には効果を現すことが多いですが、中期・後期のAGA治療者には処方することが少ない外用薬です。
外用薬は、頭皮のカユミや赤みが出るような副作用があります。
しかし、内服薬のような肝機能に影響することはないので安心して使用することができます。
AGA内服薬と外用薬の内容をもう少し詳しく説明すると下記のようになります。
A. 内服治療薬 | 有効成分 |
・プロペシア(ジェネリック薬を含む) | 「フィナステリド」 |
・ザ・ガーロ | 「デュタステリド」 |
最も多く処方されるAGA内服治療薬です。
他にも、各クリニック独自に開発した治療薬や発毛剤(ミノキシジル)を併用して使用するAGAクリニックもあります。
・フィナロイド
・フィンペシア
プロペシアのジェネリック薬
日本で取り扱っている治療薬
・フィンカー
プロスカーのジェネリック薬
上記の治療薬はどれも「薬効成分・フィナステリド」から作られています。
基本的には全て同じ治療薬です
*日本で扱っていない治療薬もあります
・デュタステリド
・デュプロスト
アボルブのジェネリック薬です
・ザ・ガーロ
日本で取り扱える治療薬
上記の治療薬は全て前立腺肥大症の薬が元になっています。
薬剤名が数種類あるため治療薬の種類が多いように感じますが、元になっている治療薬は「プロペシア」と「アボルブ=ザ・ガーロ」の2つの種類がAGA治療薬になります。
B. 外用治療薬 |
頭皮に直接塗るタイプの治療薬です。
ロゲインフォーム5%・2% 外用薬は頭皮の中まで浸透しないことが多く、内服薬が服用できない人や内服薬に抵抗がある人に処方されることや、壮年性脱毛症など毛母細胞が弱っている頭皮に使用することが多くある外用治療薬です。 ミノキシジルが主成分であることから発毛しやすい成分でもあります。 しかし、脱毛範囲が広い場合、AGA治療に使用するには根本的な解決をすることが難しい外用薬でもあります。 |
AGAは健康保険の適用がないために、経済的にはハードルが高い治療です。
AGAクリニックの中では、ジェネリック薬を提供して治療者の経済的な負担を少なくしている所も多くあります。
上記の表を見てもわかるように、2種類のAGA治療薬や発毛剤を併用して行うことが多い治療方法です。
*男性機能に変化が起こることがありますが、それ以外の報告はほぼない治療薬です。
発毛剤として使用されるミノキシジルタブレットにも副作用がある!
AGA治療薬ではありませんが、発毛剤として使用されることがあるミノキシジルがあります。
直接、毛母細胞に刺激を与えることができるので、発毛力が早いところが特徴です。
しかし、服用を止めてしまうと抜け毛が始まるのでAGA治療薬の効果が出るまでの間、毛母細胞を活性化しておくつなぎ役として使用されています。
★ミノキシジルの発毛剤は高血圧の患者に使用されていた降圧剤です。
血圧を下げる効果がありますので低血圧症の人は処方されない薬になります。
また、血管を拡張する際に起こる副作用が出ることが多い薬ですから、医師から服用する時の注意事項を良く聞いて服用するようにしましょう。
・多毛症(全身が毛深くなる)
・めまい(降圧作用による軽い貧血)
・動悸(血管を拡張する際に起きることがあります)
発毛を促進させ脱毛をブロック
AGA内服薬やAGA外用薬の効果は、悪玉酵素(DHT)を阻害する働きをすることです。
DHTは男性ホルモンと酵素が結合してできたものです。
頭部には男性ホルモンの一種にテストステロンがあり、酵素の一つに5αリダクターゼⅠ型Ⅱ型が頭頂部を中心に存在しています。
テストステロンと5αリダクターゼⅠ型Ⅱ型2つの物質が結合することで悪玉酵素(DHT)が発生します。
DHTはさらに他の受容体と結合することで脱毛因子を作る元になります。
AGA治療薬は、最初の段階で結合を阻止する効果があるので発毛させることができる治療薬なのです。
2016年6月まではプロペシアがAGA治療薬の中心だった!
AGA内服薬の違いは、5αリダクターゼⅠ型Ⅱ型の両方の阻害効果がある治療薬と、5αリダクターゼⅡ型に効果を現わす治療薬の2つに分けられています。
2016年6月までは、5αリダクターゼⅡ型に効果を現わす治療薬しかなかったため、この治療薬で効果が出なかった人も数多くいました。
◇新しく認可された「ザ・ガーロ」今後AGA治療薬の中心になる治療薬!
2016年6月半ば以降に認可がおりていた、5αリダクターゼⅠ型Ⅱ型両方に効果を現わす治療薬「ザ・ガーロ」が取り扱われるようになりました。
今まで「プロペシア」の治療薬で効果が出なかった人が服用すると発毛してきたことから、AGAの進行度によっても治療薬を選択して治療を行っています。
AGA初期に処方されることが多いAGA治療薬に「プロペシア」が多い理由
AGA初期段階に多く結合するのが「5αリダクターゼⅡ型」が多いからです。
頭頂部の中心には「特に5αリダクターゼⅡ型が多い」ことからプロペシアの効果が期待できるところです。
しかし、側頭部→前頭部→後頭部と脱毛範囲が広がるうちに、5αリダクターゼⅠ型が多く存在する場所へと移動したことでⅠ型と結合するようになると考えられることから「プロペシア」の効果がなくなると言えるのです。
上記の理由から、AGA中期からAGA後期と診断された人の多くは、5αリダクターゼⅠ型Ⅱ型両方に効果がある「ザ・ガーロ」を処方されることが多くなっているのです。
ここが「プロペシア」と「ザ・ガーロ」の効果の違いと言えるところです。
効果が出るまで継続することが必須!
AGA治療薬の即効性がない理由は身体的な肝機能にあります。
「治療薬の配合量が少ないな!」と感じたり、「配合量が多いと早く解決するのに!」と思う人もいるでしょう。
しかし、治療薬の効果を出すには単に配合量を増やすと良いことですが、AGA治療薬は肝臓の負担が大きくならないように「身体的リスクを低くする」ために作られていると言えるのです。
AGA治療薬は元々前立腺肥大症の治療に使用されていた薬になります。
肝臓の働きを利用することで治療効果をあげられることから、肝臓機能を調べてから治療を始めます。
肝臓はストレスや食生活などのホルモンの影響や他の物質を分解する力を持っていますが、処理しきれなくなると炎症を起こしやすくなり黄疸などの障害を起こしやすくなります。
どの治療薬にも肝臓機能の働きで効果を発揮することから配合量にも制限が設けられているのです。
上記の理由から、AGA治療薬を服用してから発毛を確認できるまで2ヶ月以上時間がかかってしまう理由になります。
通常、毛髪の成長は1ヵ月で1センチ程度成長しています。
発毛を確認してから元の毛髪に回復させるまでには、さらに数ヶ月~数年かかることからAGAを疑うような初期症状がでたら出来るだけ早くAGAクリニックで受診する方が早く回復するのです。
菌体の繁殖のようにDHTの結合が始まると止まることがないので阻害効果にかかる時間が増えると思っていた方が良いでしょう。
AGA治療は進行度により治療期間にも大きな違いがあります。
つまり、発毛効果が出るまでの時間がかかることが多いので、1日も休むことなく毎日治療薬を飲み続けなければ効果が期待できなくなってしまいます。
また、発毛が確認されてから毛髪が完全に回復するまで服用を続けなければ再発する恐れもあることから「すぐに止めることができない治療薬だ」とも言えるのです。
AGA治療薬を「1日や2日位服用しなくてもどうってことないでしょ!」と思っている人は気を付けた方が良いです。
休んだ分だけ発毛が遅れるならまだしも、休んでしまったことで阻害効果がリセットされて1から振出しに戻る可能性もあるからです。
AGA治療は、服用を始めた時から3ヶ月~6ヵ月の間が最も重要な期間でもあります。
休む事情(病気)がある時や休んでしまった時は、医師に伝えなければいけません。
AGA治療は3ヶ月単位の計画で行われることが多い治療なので、休んだ日によっては薬の処方や計画を変更することもあります。
*治療薬を継続していても薬の耐性が付いてしまい毛髪が生えてこない期間もあります。
AGA治療を始めた人が毎日欠かさず服用しているのも、薬の阻害成分を切らさないように発毛計画を立てて行っている治療法だと言えるからです。
治療薬はAGAクリニックで処方してもらうこと
AGA治療薬は、ドラッグストアや薬局で市販されていない第1類医薬品の治療薬です。
医師の処方がないと購入することができないので、必ずAGAを取り扱うクリニックや病院で処方してもらわないといけない治療薬です。
ご存知の人もいるでしょうが、ドラッグストアや薬局でも「リアップx5」という国から認可された外用発毛剤があります。
ミノキシジルが配合されている外用薬として販売されているものです。
購入する際には、ドラッグストアや薬局に在籍している薬剤師の問診を受けてから購入することができます。
AGAクリニックから処方される治療薬のほとんどはAGA内服薬です。
AGA外用薬の効果よりも内服薬の方がダイレクトに効果を発揮するので発毛が早くなることから内服薬で治療することが多いです。
AGA治療者のほとんどの人は、内服薬で回復していることが多く外用薬を処方する割合は少ないと言えます。
外用薬は全く効果がないとは言えませんが、脱毛範囲が狭い場合使用したりする程度で、内服薬を服用できる人はお勧めしない治療薬とも言えるでしょう。
個人輸入で購入を考える人もいますが危険性やリスクが高い!
身体の状態は個人により違いがあります。
個人輸入で発毛したというネットの口コミに書かれているのを見ることもあるでしょう。
しかし、誰もが同じ薬を購入し服用したからといって同じ効果がでるとは限りません。
むしろ副作用を発生させるリスクが高まるのでとても危険です。
AGA治療薬は自己判断するとリスクが高い治療薬だと認識しておく必要があります。
AGA治療を初めて行う人は、必ずAGAクリニックで受診しましょう。
検査をした結果、問題がなければ処方された治療薬を服用し経過を見るようにしましょう。
個人輸入はAGA治療薬の経験者であっても危険を伴います。
特に「薬」や「サプリメント」など、体内に取り入れるものは「どのような物質を使用して薬やサプリメントが作られてどのような経路で取り扱われているのか」わからないからです。
安全性があると言っても「何かあった時の責任」は別問題になり全ての責任を引き受けると書いていませんので個人のリスクが高くなります。
仮に、個人輸入をして身体的に問題が起きても輸入業者や国は責任を持ちません。
個人輸入が社会問題化すると政府は全ての薬を輸入できなくしてしまうこともあるのです。

治療薬は、AGAクリニックで適正検査を受けた上で、医師と治療方法を相談して決定した治療法で行うようにしてくれ!
AGA治療薬を個人輸入するには危険性が高いので絶対に止めておこう。
クリニックであれば、最も安全性が高く自分自身にあった治療薬を処方されるから、より効果的な治療をすることができるぞ!