AGAはどう進行していくのか。早期解決にはクリニック治療

AGA(男性型脱毛症)は、男性の薄毛の原因としては多いもののひとつです。

また、女性が発症するケースも珍しくありません。

AGAを発症すると前頭部や頭頂部の頭髪が徐々に薄くなり、最終的にはサザエさんの波平さんのようになってしまいます。

AGAの進行を止めるための方法としては頭皮ケアや医療機関での治療などがありますが、どのような方法を選択したらよいのか分からない人も多いのではないでしょうか。

AGAの進行スピードや原因、ハゲ方にはどのようなパターンがあるのか、進行を食い止めるためにはどのような方法があるのかなどについて、説明していきましょう。

進行スピードには個人差あり!

AGAの正式名称はAndrogenetic Alopeciaといい、直訳すると「男性ホルモン型脱毛症」となります。

発症に男性ホルモンが関係しているため、このような病名になっているのです。

日本名から男性固有の病気と考えている人もいるかもしれませんが、女性の発症も珍しくありません。

女性の体内でも、男性ホルモンは分泌されています。

男女とも40代以降に発症するケースが多いですが、男性の場合は10代や20代で発症するケースもあるなど、進行スピードに個人差があるのが特徴です。

男性型脱毛症発生割合

・20代 約6%
・30代 約12%
・40代 約32%
・50代 約44%
・60代 約51%
・70代 約61%
全体平均32%
「参考:池袋スカイクリニック

全年齢の平均が32%ですから、20代や30代での発症は少数派とはいえ、珍しいとはいえません。

AGAの発症時期に個人差が出るのは、遺伝による影響が大きいためです。

先天的にAGAを発症しやすい人は、早い時期から症状が出始めます。

また、女性の場合は若年層でのAGA発症はめったにありません。

これは、女性のAGA発症には女性ホルモンが関係しているためです。

女性ホルモンはIGF(インシュリン様成長因子)の一種であるIGF-1の生成を促す働きがあります。

IGF-1には頭髪の成長を促す働きがあり、これによってAGAの進行を防いでいるのです。

ところが加齢によって卵巣が衰えると、女性ホルモンの分泌量が減少します。

これに伴ってIGF-1の生成量も減り、AGAの発症を抑えられなくなるのです。

このように、個人によって進行に大きな差があるのがAGAなのです。

進行状況によって、取るべき対策も変わってきます。

AGA発症の原因はDHTが関係

では、AGAの原因は何でしょうか。

それは、DHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモン由来物質です。

DHTは体を筋肉質にしたり、体毛を濃くしたり、成長期にはペニスの成長を促進させたりするなど、男性らしい体づくりのためには欠かせない物質です。

このDHTに頭髪を薄くする働きがあるのが問題になってきます。

DHTには頭部において、TGF(トランスフォーミング増殖因子)の一種であるTGF-βと、FGF(線維芽細胞増殖因子)の一種であるFGF-5という2つの成長因子を増やす働きがあります。

問題はこの2つの成長因子の働きです。

TGF-βは毛母細胞の分裂を抑える効果、FGF-5には頭髪に「抜けろ」と命令を出す効果があります。

この2つの成長因子がヘアサイクルを乱す原因となります。

ヘアサイクルは頭髪が盛んに伸びる成長期、伸びが鈍化する退行期、伸びが止まり抜けるのを待つだけの休止期からなっています。

成長期が2~6年退行期が2週間休止期が2~3カ月で、頭髪の9割が成長期だとされています。

ところがAGAを発症している人は、TGF-βとFGF-5のおかげで、成長期が1年以内に短縮されてしまうのです。

本来ならば抜ける時期になっていない頭髪が抜けてしまうのです。

通常のヘアサイクルだと、頭髪が抜けた段階で次の準備が整っていますので、新しい頭髪が生えてくるまでにそれほど時間はかかりません。

ところが、成長期が短縮されている場合は、本来ならば頭髪が抜ける時期ではありませんので「次」の準備ができていません。

このため、新しい頭髪が生えてくるまでに時間がかかります。

そうこうしているうちに別の髪が抜け、そこも新しい髪が生えるまでに時間がかかるということを繰り返しているうちに、頭髪がだんだんと薄くなっていくのがAGAなのです。

しかも、TGF-βの働きによって、毛母細胞は徐々に活力を失っていきます。

AGAが進行すると、最終的には毛根が死滅し、頭髪生えなくなってしまうのです。

こうなると「手遅れ」で、植毛やカツラに頼るしかなくなります。

AGAかどうかをチェックするためには、ヘアサイクルが乱れているかどうかを確認する必要があります。

そのためには、抜け毛の数を調べるよりも、抜け毛状態そのものをチェックするのがおすすめです。

ヘアサイクルが平常な状態なら、抜け毛は生えてから2~6年が経過しているので、その期間に髪を切る人が大半です。

このため、毛先がハサミによって平らになっています。

ところが、ヘアサイクルが乱れているときは、抜け毛の中に毛先が尖っているものが増えています

また、生えてから時間がたっていないため、極端に細い抜け毛があるのもヘアサイクルが乱れている証拠です。

ヘアサイクルの乱れが生じるのはAGA固有の症状ではありませんが、AGA発症を早期に把握するための有力な手がかりにはなります。

人によって異なるAGAのパターン

AGAは人によって発症時期が異なりますが、進行パターンも異なっています。

・AGAの進行パターンは3つ

男性の場合は大きく分けると、額の生え際が後退する「M字ハゲ」と「U字ハゲ」、頭頂部が薄くなっていく「O字ハゲ」の3パターンになります。

まずM字ハゲは前頭部の両端、いわゆる「剃りこみ」の部分が徐々に後退していきます

中央部分は比較的長く残り、生え際がアルファベットの「M」のようになるのが特徴です。

U字ハゲはM字ハゲとは逆に、前頭部の中央部分から生え際が後退していき、生え際がアルファベットの「U」のようになっていきます。

O字ハゲは頭頂部、つむじの周辺が徐々に薄くなっていきます

薄くなった部分がカッパのお皿のようにも見えるため「カッパハゲ」ともいわれます。

いずれも最終的には波平さんのように、側頭部と後頭部の頭髪だけが残っている状態になります。

側頭部と後頭部は症状がかなり進んでも、しぶとく頭髪が残り続けるのがAGAの特徴でもあります。

なぜAGAによる薄毛がこの3パターンになってしまうのかというと、原因となるDHTが前頭部と頭頂部で生成されやすいためです。

男性ホルモンからDHTが生成されるためには、5α-リダクターゼという酵素の働きが必要になります。

5α-リダクターゼにはⅠ型とⅡ型があり、AGAに関係しているのはⅡ型だとされています。

Ⅰ型とⅡ型の大きな違いは、頭部における分布状況です。

Ⅰ型は頭部全体にくまなく分布していますが、Ⅱ型は前頭部と頭頂部に偏って分布しており、側頭部と頭頂部にはほとんどありません

DHTが前頭部と頭頂部で生成されやすいのは、Ⅱ型5α-リダクターゼの分布が偏っていることが原因です。

DHTが生成されにくい側頭部と後頭部には頭髪が残るため、波平さんのようになるのです。

女性は「瀰漫性脱毛法」になりやすい

一方、女性のAGAは全体的に頭髪が薄くなる「瀰漫(びまん)性脱毛症」になることが多いのが特徴です。

男性のように前頭部や頭頂部から進行していくこともありますが、症例としては多くありません。

また、毛根が死滅するほど毛母細胞が弱ってしまうことも稀です。

これは、女性の体内の男性ホルモンが、男性に比べて極めて少ないことが原因です。

男性ホルモンの分泌量が少なければDHTも少なくなり、男性ほど急激に症状が進行することもなくなるというわけです。

頭皮ケアからAGAを予防

AGAの対策としてまず考えられるのは、頭皮の状態をケアすること

頭髪を「作物」とするならば頭皮は「畑」のようなものなので、頭皮の状態を整えることが頭髪にも良い影響を与えるます。

育毛に効果があるのは、具体的には皮脂の過剰分泌対策と、頭皮の血行促進です。

AGAを発症している人は、DHTの生成量が増加しています。

DHTには頭髪の成長を抑制するだけでなく、皮脂の分泌量を増やす効果もあるのです。

頭皮は体の中でも、皮脂の分泌量が最も多い部位です。

体の一番上にあり紫外線を受けやすいため、皮脂で皮膜を作って水分の蒸発を防ぐ必要があるためです。

これは、頭皮が皮脂過剰になりやすいことを意味しています。

頭皮の皮脂が過剰になると、毛穴に詰まって頭髪の成長を妨げてしまいます。

詰まった毛穴にマラセチア菌をはじめとする雑菌が感染すると、炎症の原因となります。

頭皮の炎症が悪化すると抜ける時期になっていない頭髪が抜け、脂漏性脱毛症になることもあります。

皮脂が過剰にならないようにするためには、適度な洗髪が必です。

洗髪によって皮脂を洗い流すことで、毛穴に詰まらないようにすることができるのです。

ただ、1日2回など過剰な洗髪を行うと、皮脂の洗い流しすぎになります。

これによって頭皮の水分が蒸発し、乾燥による状態悪化を招きかねません。

洗髪はあくまでも適度を心がけましょう。

血行については前頭部、頭頂部とも悪化しやすい傾向にあります。

これは頭髪の成長が妨げられやすいということです。

頭髪の成長に必要な栄養分は、頭皮から取り入れられるわけではありません。

消化器で取り入れられたものが、血液によって頭皮まで運ばれてくるのです。

頭皮の血流が悪くなることは、毛根に与えられる栄養分が不足することを意味しています。

これによって、頭髪の成長が妨げられるのです。

頭皮の血行を促進させるためには、マッサージが効果的です。

血行促進に加え、頭皮を柔らかくする効果があるためです。

AGAの症状のひとつは頭皮の硬化で、症状の進行を防ぐことにつながります。

進行を完全に止めるなら治療!

問題は、AGAの症状がある程度進んでしまったときです。

頭皮の状態を整えるだけでは効果が望めませんので、AGAクリニックをはじめとする医療機関による治療が必要になります。

AGA治療で最も優先されるのは、原因となるDHTの生成を抑えることです。

医療機関ではこのための薬として、プロペシアが処方されています。

プロペシアはもともと、同じDHTが原因で起きる前立腺肥大症の治療薬として開発されました。

AGAの症状を抑える効果があることが分かったため、転用されたのです。

プロペシアの主成分はフィナステリドといい、Ⅱ型5α-リダクターゼの働きを抑えてDHTの生成量を減らす効果があります。

これによってTGF-βとFGF-5を減らし、ヘアサイクルを整えるのです。

プロペシアの効果は高く、3年間にわたって服用した人のうち、AGAが進行した人は2%だけというデータがあります(※1)。
「参考※1:MSD株式会社

78%は症状が改善しており、残る20%も現状維持です。

現時点でこれほどの実績があるAGA治療薬はありません。

ただ、DHTの生成を抑えただけでは不十分です。

あくまでも症状の進行を食い止めているだけで、頭髪が元通りになるわけではないからです。

頭髪の成長力をアップさせるために処方されているのが、ミノキシジルです。

頭皮の血管を拡張することで血流を促進させ、頭髪の成長を促します

もともとは高血圧患者の血圧を下げるための血管拡張剤だったのですが、育毛効果が認められてAGA治療薬に転用されたという経緯はプロペシアに似ています。

ただ、オススメできるのは医療機関での処方です。

なぜなら、プロペシアもミノキシジルも副作用があるからです。

プロペシアは精力減退精子減少(※2)、ミノキシジルは頭皮のかぶれ湿疹などが副作用(※3)として確認されています。

「参考※2:MSD株式会社」「参考※3:厚生労働省

特にプロペシアの副作用は、若年層の男性にとってはAGA以上に深刻な悩みとなりかねません。

プロペシアやミノキシジルを個人輸入で購入する方法もあるのですが、副作用に自己責任で対応しなくてはならなくなります。

診察料がない分費用は安く抑えられますが、いくら安いといっても、これはリスクが大きすぎます。

その点、医療機関ならば副作用への対応が可能です。

特に、AGAを専門に診ているクリニックならば副作用についてのノウハウも豊富で、的確な対応が期待できます。

コストが高くても医療機関での処方をおすすめするのは、このためです。

プロペシアやミノキシジルの使用を中止するとDHTの生成量が元通りになり、AGAが進行してしまいます。

どの進行タイプでも結局は脱毛する

AGAの発症時期には個人差があり、対策もそれに合わせたものとなりますが、因となるDHT対策が最優先となるのは共通しています。

AGAの症状が過度に進んでいない状態ならば、頭皮の状態を整えるだけで症状が改善が期待できます。

頭皮の皮脂過剰を防いだり、マッサージで頭皮の血流を促進させたりするなどの方法があります。

ただ、ある程度AGAの症状が進んでしまったら、プロペシアやミノキシジルなど、治療薬による治療を検討する必要があります。

必ずAGAを専門に診ているクリニックに処方してもらいましょう!


AGAの進行パターンには「頭頂部」「額の生え際」「前頭部」からの3パターンがある。

どのパターンでも進行が進めば髪は脱毛してしまうんだ。

髪が薄くなってきたと感じたら早めにクリニックに行って相談するといい。

治療はすぐには効果を発揮しないが、最低でも3ヶ月は継続して続ける必要があるぞ!

この記事の関連記事