育毛剤は治療のための医薬品ではない! 育毛剤と発毛剤の違いを徹底解説!

ドラッグストアやネットで育毛剤が簡単に購入できるようになっている現在、育毛剤を使っても効果がないという情報が口コミなどで見受けられます。

育毛剤は効果ないという声は、育毛剤を使えば発毛するという効果に対する勘違いから来ているものです。

育毛剤には新たに頭髪を生やしてくれるほどの効果はありません。

育毛剤の大半は、厚生労働省によって医薬部外品に指定されています。

医薬部外品は病気の予防に重点が置かれており、病気の治療を目的としている医薬品とは異なっているのです。

AGA(男性型脱毛症)などの影響で薄くなってしまった頭髪を新たに生やしたいと思ったら、必要なのは医薬品に指定されている発毛剤の方で、医薬部外品である育毛剤ではないのです。

同じドラッグストアやネットショップで販売されていても、医薬品と医薬部外品には大きな違いがあるのです。

2つの違いはどこにあるのかを知り、育毛剤や発毛剤の購入の際に役立てていきましょう。

今や一般用医薬品はすべてインターネットで入手可能

医薬品は大きく分けると、医療機関の処方や製剤薬局の製造による薬局医薬品と、一般的なドラッグストアや薬局等で販売されている一般用医薬品になります。

2014年6月11日までは下の表のように、製剤薬局オリジナルの薬局製造販売医薬品、一般用医薬品のうち第一類と第二類については対面販売が必須となっていました。

つまり、それらに該当する医薬品はネット通販などで購入することはできなかったのです。



薬局医薬品 医療用医薬品(処方薬)…対面販売 処方せん医薬品
処方せん医薬品以外の医療用医薬品
薬局製造販売医薬品(薬局製剤)…対面販売
一般用医薬品 第一類医薬品…対面販売
第二類医薬品…対面販売
第三類医薬品…インターネット販売可

同年6月12日の改正薬事法施行に伴い、薬局製剤と第一類・第二類医薬品についてもネットでの販売が可能になりました。リストの赤字が変更点です。



薬局医薬品 医療用医薬品(処方薬)…対面販売 処方せん医薬品
処方せん医薬品以外の医療用医薬品
薬局製造販売医薬品(薬局製剤)…インターネット販売可
※毒薬・劇薬を除く。
要指導医薬品…対面販売
一般用医薬品 第一類医薬品…インターネット販売可
第二類医薬品…インターネット販売可
第三類医薬品…インターネット販売可

(引用元:薬と健康の週間

つまり、店頭で販売されている薬はすべてネットで入手が可能になったのです。

医薬品と医薬部外品は効能や目的が異なる

では、医薬品と医薬部外品にはどのような違いがあるのでしょうか。

医薬品は、ある疾患の治療に効果があると厚生労働省が認めた成分が配合されているものです。

端的に言うと、医薬品は病気を治すことに重点が置かれているのです。

一般用医薬品は効果や副作用の危険性によって第一類、第二類、第三類に分けられています。

数字が小さいほど効果は大きくなりますが、副作用のリスクも大きくなります。

特に第一類医薬品は、副作用によって日常生活に悪影響を及ぼす可能性があるものも含まれています。

第一類医薬品の購入時には書面による情報提供が義務付けられています。

医薬品に対して、医薬部外品はあくまでも病気の予防に重点が置かれています

特定の疾患に効果があるとされ、厚労省が配合を認めている成分が含まれていますが、治すほどの強い効果はないということなのです。

ただ、効果が緩やかな分、医薬品と比べると副作用発症のリスクが小さくなり、日常生活に悪影響を及ぼす可能性が小さいというメリットがあります。

ちなみに「養毛剤」という、化粧品のカテゴリーに入る商品もあります。

効果については、基本的に育毛剤よりさらに弱くなります。

一般的な「育毛剤」は医薬部外品に分類される

「育毛剤」と呼ばれるものは、医薬部外品カテゴリーになります。

つまり、現在生えている頭髪を太くしたり、脱毛を抑えるために頭皮の状態を整えたりする効果はあっても、新たに頭髪を生やすまでの効果はないということです。

そのあたりは、配合されている成分を見ても分かります。

育毛剤に配合されている有効成分のうち、科学的根拠があるものはあまり存在しないのです。

一例を挙げれば、育毛剤にはAGAの原因となる男性ホルモン由来物質・DHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑える効果がある成分として、ヒオウギエキスやオウゴンエキスなどが配合されています。

ところが、ヒオウギエキスやオウゴンエキスには、DHTの生成量を減らすことができるという科学的根拠が存在していません。

あくまでも「効果があるかもしれない」という程度にすぎません。

血行促進成分であるニンジンエキスやセンブリエキスなどについても同様で、血行促進効果が科学的に証明できているというわけではないのです。

繰り返しになりますが、医薬部外品はあくまでも病気の予防に重点を置いており、治療が目的の製品ではありません。

「育毛剤を使用しても効果がない」というのは、医薬部外品にすぎない育毛剤に過大な期待をかけてしまったことの証明だと言えます。

髪の毛が生えてくるという期待は、育毛剤によって頭髪が生えてくると思わせるような広告も一因です。

育毛剤の正しい知識を得るための妨げになっているような誇大広告と言われても仕方ありません。

「発毛促進剤」は第二類・第三類医薬品または医薬部外品

育毛剤で効果が期待できないレベルの薄毛ならば、治療目的の医薬品を使用するしかなくなります。

医薬品には「発毛剤」と「発毛促進剤」の2種類があるのがややこしいところです。

発毛促進剤とは薄毛治療を目的とした薬で、多くは第二類・第三類医薬品に指定されています。

第一三共ヘルスケアのカロヤンシリーズや、田村治照堂のハツモールシリーズが該当します。

カロヤンシリーズに配合されている塩化カルプロニウムは、血管拡張効果によって頭皮の血流を促進させる医薬品です。

血流促進によって毛根に十分な栄養分を与えて頭髪の成長を促す効果があり、後述するミノキシジルに似ています。

ただ、効果の方はミノキシジルに及びません。

日本皮膚科学会のガイドラインによると、塩化カルプロニウムの評価は上から3番めの「C1」です。

治療に当たって「使用を考慮してもいいが、十分な根拠はない」というレベルにすぎません。

その分、副作用は頭皮のかぶれ程度で、ミノキシジルと比較すると軽めです。

この副作用の違いが、第二類・第三類医薬品という評価につながっているようです。

つまり、医薬部外品とは違い、薄毛に対して一定の治療効果は認められるものの、第一類医薬品ほどの期待はできないというのが、発毛促進剤への評価となりそうです。

「発毛剤」はミノキシジルが含まれる第一類医薬品

医療機関以外で薄毛治療を行うことを考えているのでしたら、第一類医薬品を使用することが唯一の選択肢となります。

薄毛治療の一般用医薬品のうち、第一類医薬品に指定されているのは大正製薬の「リアップ」シリーズのみです。

リアップに配合されているミノキシジルは、AGAクリニックをはじめとする医療機関での治療に使われている薬と全く同じものです。

血管拡張効果自体は塩化カルプロニウムと同じでも、より強力なものとなります。

ミノキシジルはもともと、薄毛治療薬として開発されたものではありません。

高血圧患者の血圧を下げるための血管拡張剤だったのです。

ミノキシジルの水溶液を頭皮に塗布したところ、血管が拡張されて強い発毛効果が発揮されることが分かったため、薄毛治療薬に転用されました。

実際、日本皮膚学会のガイドラインでもミノキシジルは最上位の「A」評価となっています。

治療に当たって使用を「強く勧められる」というレベルです。

効果が高い代わりに副作用も強くなります。リアップx5の添付文書では、頭皮のかぶれや湿疹に加え、動悸による心臓への負担、頭痛、むくみなどが出る可能性があるとしています。

実際、リアップ使用者のうち3人が循環器障害で死亡したことが確認されています(大正製薬側はリアップとの関連性はないと説明しています)。

こうした副作用のリスクゆえに、第一類医薬品に指定されているのです。

(引用元:大正製薬「リアップに関するマスコミ報道について」より)

AGA治療に用いられるのは主にミノキシジルとフィナステリド

ミノキシジルは医療機関での治療にも使用されています。

実際のところ、医療機関においてはミノキシジル以上にフィナステリドが治療薬として重視されています

フィナステリドはAGAの原因であるDHTの生成を抑制する薬剤です。

DHTは頭部においては抜け毛を促進させる原因となるため、生成を抑えることで抜け毛を防ごうというわけです。

こちらも初めはAGA治療薬ではなく、DHTが原因で起きる前立腺肥大症の薬でした。

のちにDHT生成抑制効果がAGAに効果があることが分かったため、転用されたのです。

フィナステリドも、効果は極めて高くなっています。

3年間にわたってフィナステリドを投与した人のうち、AGAが進行した人はわずか2%だったことが臨床試験で分かっています。

78%は症状が改善しており、残り20%も薄毛の進行が食い止められているのです。

効果が高い分、フィナステリドにも副作用があることが確認されています。

フィナステリド製剤であるプロペシアの添付文書には、性欲減退やED(勃起障害)、精子減少などが主な副作用として記載されています。

若くしてAGAを発症した人や、妊活中の人にとっては、この副作用は痛いところです。

下手をすれば、薄毛以上に深刻な悩みとなってしまいかねません。

また、フィナステリドは女性への処方が認められていません

お腹の赤ちゃんが男の子の場合、性器の発達不良を招く可能性が指摘されているためです。

女性が服用すると身体に異常を引き起こすリスクの強い薬であるため、副作用に対応することができる医療機関以外での処方が認められていないのです。

最近ではフィナステリドよりも強力なデュタステリドの使用が認められましたが、副作用については大差がないうえ、女性に処方できないという問題点は解決されていません。

医薬部外品の「育毛剤」と医薬品の「発毛剤」を区別して使おう!

医薬部外品である育毛剤は強い副作用がない代わりに、効果については大きな期待を持つことはできません。

一方で医薬品である発毛剤は効果については期待できますが、強い副作用が出る可能性があるというデメリットがあります。

初期の薄毛でそれほど強い効果が必要でなければ、強い副作用を持つ発毛剤の使用はデメリットばかりが強調されることになります。

それならば、医薬部外品で副作用のリスクがない育毛剤で十分ということになります。

逆に薄毛が進行していれば、育毛剤では効果が期待できず、購入しても無駄遣いになってしまいかねません

そのような場合は、リスクを承知で発毛剤を購入した方がいいでしょう。

それでも効果が十分でなければ、医療機関での治療を検討してみるといった具合です。

育毛剤、発毛促進剤、発毛剤のいずれを選ぶかは「適材適所」なのです。

あなたの薄毛の進行状態と相談しながら、現状に適した製品を選ぶようにすればいいのです。

育毛剤と医薬品の関係まとめ

育毛剤のほとんどは、医薬部外品にカテゴライズされています。

医薬部外品とは病気の予防に主眼を置いているもので、治療効果があるわけではありません。

育毛剤は薄毛を予防することはできても、新たに髪を生やすことはできないのです。

もし新たに頭髪を生やしたいと考えているならば、第一類医薬品である発毛剤を使用するしかありません。

これに該当しているのは、リアップシリーズのみです。

ただ、第一類医薬品は効果も大きい代わりに、副作用も強くなります。リアップもその例外ではありません。

より高い発毛効果を希望するならば、医療機関での治療も選択肢に入ってきます。

医療機関ではミノキシジルに加えてフィナステリドが処方されますが、こちらもEDなどの副作用があります

薄毛があまり進行しておらず、発毛剤の副作用というデメリットを心配するようであれば、育毛剤がおすすめです。

逆に薄毛が進行して育毛剤では不十分ならば、発毛剤以外の選択肢はないということになります。


頭部の髪の毛がない箇所に「発毛」をさせたいのであれば発毛剤。

髪の毛の成長を促し、「育毛」をさせたいのであれば育毛剤が適している。

育毛剤で対策をするか、発毛剤を使用して治療にあたるかは薄毛の進行度によって変わってくるぜ。

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