AGAを発症してしまうのはなぜ?その原因に迫る!

AGA(男性型脱毛症)は薄毛の原因としては最も多いものです。

早い人だと10代には発症し、30代にはかなり薄くなっている人も珍しくありません。

AGAはどのように進行していくのか、何が原因で起きるのかなど、意外と知られていないAGAという疾患そのものについて説明していきましょう。

AGAの症状

AGAの症状の特徴のひとつとして、薄毛になるパターンが決まっていることが挙げられます。

AGAは必ずと言っていいほど、前頭部もしくは頭頂部から薄毛になっていくのです。

基本的に、AGAによる薄毛は3パターンに分けられます。

前頭部の剃りこみ部分が後退していく「M字ハゲ」、前頭部の中心が後退していく「O字ハゲ」、頭頂部のつむじ周辺が薄くなる「つむじハゲ」のいずれかになるのです。

男性の場合、若年層でも発症するケースがあることも特徴と言っていいでしょう。

早い人だと10代や20代で発症してしまうこともあるのです。

AGAによる脱毛は急速に進むわけではありません。

徐々に抜け毛が増えていき、気がついたときにはかなり薄くなってしまっているというのがほとんどでしょう。

まず抜け毛が増えていきます。

極めて細い抜け毛がある、先が尖っている抜け毛があるなどの特徴が見られた場合には、AGAの発症を疑った方がいいかもしれません。

細かったり毛先が尖っていたりする頭髪は、本来ならばまだ成長する余地のある時期のもの。

AGAによってヘアサイクルが乱れ、まだ抜ける時期ではないのに抜けてしまっているのです。

この場合、次の頭髪の準備ができていませんので、新しい頭髪が生えてくるまでに時間がかかります。

生えるのを待っているうちに次々に頭髪が抜け、気がつくと薄毛になっているのがAGAなのです。

AGAの怖いところは、放っておくと頭髪の成長力がどんどんダウンしてしまうことです。

新しい頭髪が生えるたびに、徐々に弱々しくなってしまうのです。

これはAGAによって毛根が弱っているためです。

AGAが進行すると、最終的には毛根が死滅して、頭髪が生えなくなってしまいます。

こうなると医療機関の治療も効果がなくなりますので、植毛やカツラしか選択肢がなくなってしまうのです。

ちなみにAGAは、前頭部や頭頂部の毛根が死滅しても、側頭部や後頭部は残りやすいという特徴があります。

サザエさんの波平さんの頭を思い浮かべると、分かりやすいのではないでしょうか。

AGAの治療は早い時期に始めた方がいいとされているのは、このためです。

毛根が死滅してしまう前に始めないと、治療をしても早期に効果が期待できなくなってしまいます。

DHTこそがAGAの原因

AGAの発症には男性ホルモンそのものは関係していません。

DHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモン由来物質が、AGAの原因です。

DHTは男性らしい体づくりに必要となります。

体毛を濃くしたり、体を筋肉質にしたりする働きがあり、男性らしい体づくりにとって必要不可欠です。

また、胎児期においては男性器の形成のためにDHTが必要になってきます。

DHTがなければ男性器が形成されず、先天性異常の原因になってしまいます。

カギはDHTによって生成される成長因子

問題は、DHTに頭髪の成長を抑制する働きがあることです。

本来は男性が男性であるために欠かせないはずのものが、必要以上に悪者扱いされている面があるというわけです。

DHTは頭部において、TGF(トランスフォーミング増殖因子)の一種であるTGF-βと、FGF(線維芽細胞増殖因子)の一種であるFGF-5という、2つの成長因子を増やす働きがあります。

TGF-βは毛母細胞に働きかけ、分裂を抑制しようとする働きがあります。

これによって毛母細胞は次第に活力を失っていき、最終的には毛根の死滅につながってしまうのです。

FGF-5には頭髪に「抜けろ」という命令を出し、脱毛スイッチを作動させる働きがあります。

本来ならば抜ける時期になっていない頭髪が抜け、ヘアサイクルが乱れてしまうのです。

ヘアサイクルの乱れ、毛根の活力低下というAGAの症状は、この2つの成長因子にが影響しています。

2つの成長因子を増やすDHTこそ「すべての元凶」と言っていいでしょう。

DHTがこうした働きをするのは、頭部においてのみです。

それ以外の場所ではIGF(インシュリン様成長因子)の一種であるIGF-1の生成を促し、体毛の成長を促進しているからややこしいところです。

女性もAGAになる!

「男性型脱毛症」という日本名から、AGAは男性固有の疾患なのではないかと思っている人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。

女性がAGAを発症することもります。

女性の場合は、FAGAと呼ばれています。

女性の体内でも男性ホルモンが分泌されており、性欲をアップさせるなど重要な働きを持っています。

これは、女性の体内でもAGAの原因であるDHTが生成されていることを意味しています。

ただ、女性の場合は男性と違い、若年層のAGA発症は極めて稀です。

これは、女性のAGA発症には女性ホルモンが関係しているという、発症メカニズムの違いがあるためです。

女性ホルモンは頭部において、IGF-1の生成を促し、頭髪の成長を促進させる働きがあります。

男性に比べて女性の方が頭髪の伸びが早いのは、女性ホルモンの働きが強いです。

若年層の女性は卵巣の働きが活発なので、女性ホルモンの分泌量が多く、IGF-1によってDHTが生成する2つの成長因子の働きを抑えられます。

若年層の女性にAGA発症が稀なのは、このためです。

ところが加齢によって卵巣の働きが低下すると、女性ホルモンの分泌量が低下します。

女性ホルモンが減少するとIGF-1が減ってDHTの働きを抑えられなくなり、AGAを発症するというわけです。

逆に男性の場合も、体内で女性ホルモンは分泌されていますが極めて少量で、DHTの働きを抑えられません。

男性は成長期になって男性ホルモンが増えると、AGA発症リスクが高まるのです。

男性ホルモンの分泌量は、10代後半以降に増加していき、DHTの生成量も増えていきます。

AGAになりやすい体質の人は、この時期から薄毛になり始めるというわけです。

いずれにしても、男性も女性もAGA発症の原因は、DHTだというのは間違いないでしょう。

AGA治療のためには、いかにしてDHTの生成を抑えるかが鍵になってくるのです。

進行を止めるには5α-リダクターゼを抑制

DHTは男性ホルモンから作られる物質ですが、すべての男性ホルモンがDHTになってくれるというわけではありません。

DHTの生成には5α-リダクターゼという酵素の働きが必要です。

5α-リダクターゼは、1型と2型の2種類があります。

AGA発症に関係しているのは、このうち2型の方です。

同じ5α-リダクターゼでも、1型と2型では頭部における分布状況が違っています。

1型が頭部全体にくまなく分布しているのに対し、2型は前頭部と頭頂部に集中しています。

逆に側頭部や後頭部には、2型はほとんど存在していません。

AGAによる脱毛が前頭部や頭頂部から起きるのは、2型5α-リダクターゼの分布の偏りが原因です。DHTが生成されやすい部位から、薄毛になっていくというわけです。

医療機関で行われているAGA治療は、この2型5α-リダクターゼの働きを抑えるものです。

男性用のプロペシア女性用のパントスチンは、いずれもこの作用があります。

プロペシアは内服薬で、有効成分はフィナステリドです。

フィナステリドはもともと、DHTが原因で起きる前立腺肥大症の治療薬として開発されたものが、AGA治療に転用されました。

2型5α-リダクターゼの働きを抑えることでDHTの生成量を減らし、TGF-βとFGF-5の生成を抑制してヘアサイクルを整えてくれるのです。

効果は高く、プロペシアを3年間服用してAGAが進行した人はわずか2%というデータがあります。

現時点では、AGAの進行抑制に最も効果的な薬のひとつと言っていいでしょう。

問題は副作用が確認されていることです。

添付文書によると、プロペシアの副作用はED(勃起障害)や精子減少などで、若年層の男性にとってはAGA以上に深刻な悩みとなりかねません。
「参考:MSD株式会社

また、女性の場合はお腹の赤ちゃんが男の子の場合、プロペシアによって性器の形成が阻害され、先天性異常につながるリスクがあります。

女性はプロペシアの服用はもちろん、素手で触れることも禁止されています。

プロペシアを処方することができない女性のために開発されたのが、パントスチンという外用薬です。

有効成分はアルファトラジオールといい、効果はプロペシアには劣るものの、パントスチンには副作用がほとんどないというメリットがあります。

内服薬であるプロペシアと違い、パントスチンは外用薬なので、アルファトラジオールをはじめとする有効成分が全身に回りにくいのもメリットでしょう。

ただ、赤ちゃんへの安全性まで確認できていませんので、妊娠中や授乳期の女性が使用することはできません。

ただ、若年層の女性がAGAを発症することは稀なので、大きな問題にはなりません。

いずれにしても、AGAの治療は5α-リダクターゼの働きを抑え、DHTの生成を抑制することが最優先となります。

ミノキシジルをはじめとする発毛薬は、それを補完するものだと考えていいでしょう。

全ての脱毛症がAGAとは限らない!

では、5α-リダクターゼを抑えれば薄毛は解消するのかといえば、必ずしもそうとは言えません。

なぜならば、薄毛の原因はAGAだけではないからです。

AGA以外の薄毛の原因

・頭皮の状態悪化

・頭皮の血行悪化

・頭髪の栄養不足

・ホルモンバランスの乱れ

頭皮の状態が悪化する原因

頭皮の状態が悪化する原因として考えられるのが、皮脂の過剰や不足です。

頭皮は体内で最も皮脂の分泌量が多い部位なので量が過剰になりやすいうえ、皮脂が不足すると乾燥しやすくなります。

皮脂が過剰になると毛穴に詰まり、頭髪の成長が阻害されます。

また、詰まった皮脂に細菌が感染すると炎症を起こし、脂漏性脱毛症を引き起こすこともあります。

皮脂が足りないと頭皮が乾燥し、ターンオーバーがうまくいかなくなってフケが増えます。

このフケが毛穴に詰まりと成長の阻害や、炎症による粃糠性脱毛症の原因となるのです。

血行悪化の原因は2つ

頭皮の血行悪化は、毛根に届けられる栄養分の減少の原因となり、頭髪の成長が阻害されるのです。

頭髪の成長に必要な栄養分は、頭皮から吸収されるわけではなく、消化器で取り入れられたものが血液によって頭皮まで運ばれてくるためです。

頭皮の血行悪化の原因

・ストレス
・生活習慣病

それぞれ、どういう形で頭皮の血行悪化につながるのでしょうか。

<ストレス>

ストレスを受けると自律神経のうち交感神経が活発になりますが、交感神経には末梢血管を収縮させる働きがあり、これが頭皮の血行悪化につながるのです。

交感神経の働きの中には、男性ホルモンの分泌量を余計に増やすという問題もあります。

男性ホルモンが増えることで、DHTも増え、AGAの進行につながってしまうためです。

<生活習慣病>

生活習慣病のうち、血行悪化につながる可能性があるものとしては、動脈硬化糖尿病が考えられます。

動脈硬化は悪玉コレステロールの付着などによって血管内部が細くなるため、血液の流れる量自体が減少してしまい、血行が悪化してしまう原因となります。

また、糖尿病の場合は血糖値の高い血液によって血管が傷み、血液が流れにくくなるのです。

ダイエットによる栄養不足

頭髪の栄養不足の原因としては、血行不良以外にも過剰なダイエットが考えられます。

女性の薄毛の原因としては、比較的多いものだと言っていいでしょう。

頭髪の成長のためにはタンパク質や亜鉛、ビタミンB群などが必要になります。

過剰なダイエットによって食事量を必要以上に減らすと、こうした栄養素まで不足し、頭髪の成長が阻害されるのです。

ホルモンバランスが乱れる原因

ホルモンバランスの乱れの例としては、睡眠不足女性の場合は出産後などが挙げられます。

睡眠不足になると、成長ホルモンの分泌がしにくくなり、身体でホルモンバランスを整える行為が崩れやすくなります。

妊娠中は女性ホルモンが大量に分泌されていますが、出産後に分泌量が激減してしまい、抜け毛につながるのです。

女性のAGAの引き金となる、加齢による卵巣の衰えも、ホルモンバランスの乱れの一種といえます。

いずれにしても、これらの原因への対策としては、プロペシアもパントスチンも不適当です。

薄毛の原因がAGAかどうかは素人では分かりませんので、医療機関に診てもらう方がいいでしょう。

DHTを抑えることでAGAを改善

AGAについてまとめると、以下のようになります。

・AGAの原因はDHT

・AGAは男女関係なく発症する可能性がある

・AGAはハゲ方に特徴がある

・AGAの治療法はDHTの働きを抑えること

・AGAは早く治療しないと毛根が死滅する

男性も女性も、AGAはDHTが原因で起きるという点は同じです。

ただ、女性のAGAは女性ホルモンが発症に関係しているため、分泌量の多い若年層での発症が少ないという違いがあります。

AGAかどうかを見分ける鍵は、前頭部や頭頂部から薄毛になっていくかどうかです。

このようなハゲ方をするならば、AGAの可能性が高いでしょう。


AGAの治療は男女で違ったり、発症するまでの原因が一人一人違う!

AGAによって毛根が死滅すると、治療といっても時間がかかってしまうぞ。

抜け毛に細いものや、先の尖ったものが混じり始めたら、クリニックで相談してみてみることも一つの手だ。

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