AGAの原因「DHT」食い止めるには治療が必要に!

AGA(男性型脱毛症)は薄毛の原因では最も多いとされているもので、男性のうち3分の1はAGAに悩んでいるとされています。

AGAの原因は男性ホルモンが関係しています。

男性ホルモンが「DHT」という物質に変化してしまうと、脱毛作用が引きおこるのです。

AGAが進行してしまうと自然に止まることはないので、治療をするしかありません!

薄毛対策のためには、このAGAについて知っておくことが必要でしょう。

AGAの原因は何なのか、治療法としてはどのようなものがあるのかなどについて、説明していきましょう。

男性ホルモンが発端?AGAの原因

AGA正式名称Androgenetic Alopecia

「男性ホルモン型脱毛症」です。

ただ、男性ホルモンそのものがAGAの原因になっているわけではありません。

AGAの原因は、男性ホルモンから作られるDHT(ジヒドロテストステロン)という物質

DHTによって頭髪の脱毛が促進され、薄毛が進行してしまうというものです。

DHTは頭部においては、TGF(トランスフォーミング増殖因子)の一種であるTGF-β、FGF(線維芽細胞増殖因子)の一種であるFGF-5という2つの成長因子の生成を促します。

問題はTGF-βの働きが毛母細胞の分裂を抑制して頭髪の伸びを阻害してしまうもので、FGF-5の働きが頭髪に「抜けろ」と命令を出すことで脱毛を促進させてしまうものだということです。

この2つの働きによって、ヘアサイクルが乱れてしまうのがAGAなのです。

ヘアサイクルは頭髪が盛んに伸びる成長期頭髪の成長が鈍化する退行期頭髪の成長が止まり抜けるのを待つだけの休止期からなっています。

期間は成長期が2~6年と最も長く、退行期が2週間前後、休止期が2~3カ月となっています。

そして、頭髪全体の9割前後が成長期になっています。

ところが、AGAになると頭髪の成長期が1年以下に短縮されてしまいます

FGF-5が増えることによって、脱毛命令が必要以上に出されてしまうことが原因です。

頭髪が本来は抜けるべき時期ではないのに抜けてしまうと「次」の準備ができていませんので、新しい頭髪が生えてくるまでの何もない状態が長くなってしまいます。

この間にも頭髪が次々と抜けてしまい、気がついたら薄毛になっているというわけです。

AGAの特徴として、前頭部と頭頂部が薄毛になりやすく、M字ハゲかつむじハゲのどちらかになるということです。

これはDHTが頭部全体にくまなく分布していないためです。

男性ホルモンがDHTになるためには5α-リダクターゼという酵素の働きが必要ですが、この酵素は前頭部と頭頂部に偏在しています。

側頭部と後頭部にはほとんどありません。

つまり、AGAがM字ハゲやつむじハゲになるのはDHTの生成量が多い部分が薄毛になるためです。

DHTの生成量が少ない側頭部と後頭部は、波平さんのように頭の側面に頭髪が残り続けるのです。

AGAはその名称から男性特有の疾患だと思われがちですが、女性がAGA(FAGA)を発症することもあります

DHTの元になる男性ホルモンは、女性の体内でも分泌されているからです。

ただ、男性が10代でもAGAを発症するケースがあるのに対し、女性の場合は若年層での発症は稀です。

これは女性ホルモンにIGF(インシュリン様成長因子)の一種であるIGF-1を増やす働きがあり、頭髪の成長を促しているためです。

女性ホルモンの分泌が多い若年層は、DHTの働きを抑えられます。

しかし、加齢によって卵巣が衰えると女性ホルモンの分泌量が減り、DHTの働きを抑えられなくなり、AGAを発症すしてしまいます。

男性の場合はそもそも女性ホルモンの分泌量が少ないため、男性ホルモンの増加によってDHTの生成量が増えることでAGA発症の可能性が出てくるのです。

男性のAGAが純粋にDHTによって起きるのに対し、女性は発症に女性ホルモンの分泌量が関係しているという違いがあります。

生活習慣・ストレスからヘアサイクルが乱れる

ヘアサイクルの乱れの原因はAGAだけではありません。生活習慣やストレスなども、ヘアサイクルを乱し、薄毛を招く原因になるのです。

ヘアサイクルを乱す生活習慣の1つとして、睡眠不足があげられます。

頭髪の伸びには成長ホルモンが関係していますが、成長ホルモンの効果は熟睡している間が最も大きくなります

睡眠不足だと成長ホルモンの効果が不十分になり、ヘアサイクルを乱す原因となってしまいます。

成長ホルモンの分泌量が最も多いのは、午後10時から午前2時にかけてです。

この時間帯に質の良い睡眠を取るようにすることが、ヘアサイクルを整えることにつながります。

ストレスがヘアサイクルを乱す原因となるのは、頭皮の血行が悪化してしまうからです。

ストレスを受けると自律神経のうち交感神経の働きが活発になり、末梢血管が収縮して血流の悪化につながります。

頭髪の元となる栄養素は消化器で吸収されたあと、血液によって頭皮まで運ばれてきます。

血流が悪化すると頭皮に運ばれる栄養素が減り、頭髪の成長が阻害されて、ヘアサイクルが乱れてしまうのです。

解決法はストレスを解消し、もうひとつの自律神経である副交感神経を活発にして、頭皮の血流を促進させることです。

オススメは軽い運動をすることです。身体を動かすことで、ストレス解消に加えて、心肺機能がアップし、血流促進の相乗効果が望めるためです。

AGAの治療に当たっては、こうした問題点をクリアしておいた方がいいでしょう。問題点を残したままだと、AGA治療の効果が下がってしまうためです。

頭皮のケアは治療ではない!

AGAの対策はどのようにすればいいのでしょうか。

まず思いつくのが育毛シャンプーを使用して頭皮の状態を整えることですが、正直なところこれは治療になっていないと言わざるを得ません。

育毛剤についても、頭皮の状態を整えることを主眼にしている商品では、治療効果は得られないと考えていいでしょう。

なぜなら、頭皮のケアをしても、AGAの原因を取り除くことはできないからです。

皮脂やフケが毛穴に詰まって成長が妨げられていたり、炎症によって頭髪が抜けやすくなっていたりするのならば、頭皮ケアは効果的でしょう。

脱毛の原因に対処しているからです。

ところが、AGAはDHTという男性ホルモン由来物質が原因となっている疾患です。

何らかの方法でDHTを減らさない限りはTGF-βもFGF-5も減りませんので、脱毛が止まってくれず、ヘアサイクルを整えることもできません。

AGAはあくまでも「疾患」で、治療には医療機関の力が必要になってくるのです。

AGAには「治療」が必須!

医療機関におけるAGAの治療にはどのようなものがあるのでしょうか。

大きく分けると薬剤による内科的治療と、植毛による外科的治療があります。

まず内科的治療ですが、最優先で使用されるのがプロペシアという内服薬です。

プロペシアにはDHTの生成に必要な5α-リダクターゼの働きを抑えることで、DHTの量を減らす効果があります。

DHTの生成を抑制すれば、TGF-βもFGF-5も生成量が減り、頭髪の成長が促進されてヘアサイクルが整えられるのです。

クリニックにおいては、このプロペシアが最優先で処方されています。

最近ではザガーロという、より強い効果のある新薬を処方してくれる医療機関もあります。

ただ、プロペシアもザガーロもED(勃起障害)や精子減少といった副作用を抱えているという問題点があります。

医療機関でなければ扱えない薬だと言っていいでしょう。

プロペシアだけでは効果が不十分と判断した場合に処方されるのが、頭皮に塗布するミノキシジルです。

ミノキシジルの効果は、血管を拡張することで頭皮の血流を促進させ、毛根に十分な栄養を与えて頭髪の成長を促します。

プロペシアによって脱毛を抑え、ミノキシジルによって発毛を促すのです。

ミノキシジルはもともと内服薬として開発されたものなので、錠剤タイプの方が効果は高くなります。

一部の医療機関では、錠剤を処方していることもあるようです。

ただ、ミノキシジルにも副作用はあります。

外用薬として使用した場合の副作用は頭皮のかぶれや湿疹程度ですが、内服薬の場合は血圧異常を起こして命にかかわるケースも報告されています。

内服薬は扱いがかなり難しい薬剤といっていいでしょう。

そして、これらの薬剤でも十分な効果が得られないときに行われるのが、薬剤を直接頭皮に注入する育毛メソセラピーや、IGF-1などの成長因子を注入するHARG療法です。

コストはプロペシアとミノキシジルの投与よりも高くなりますが、AGAがかなり進んでいるケースでも効果があるとされています。

とはいえ、こうした内科的療法は毛根が生きていることが前提です。

AGAが進行すると毛根が死滅してしまい、内科的療法の効果が全くなくなります。

種を植えていない畑にいくら水と肥料を与えても、何も生えてこないのと同じです。

そうした人にとって「最後の砦」といえるのが植毛です。

樹脂でできた人工毛を植え付ける人工植毛と、後頭部から頭髪を持ってくる自毛植毛がありますが、最近の主流は自毛植毛です。

AGAの原因であるDHTは側頭部や後頭部ではあまり生成されませんので、AGAが進行しても頭髪はしぶとく残っています。

ここから頭髪を持ってきて薄くなった部分に植え付けるのです。

後頭部から前頭部に頭髪を持ってきても、DHTの影響で再びハゲてしまうのではないかと心配する人もいるでしょうが、後頭部の頭髪はDHTの影響を受けにくいためハゲてしまう心配はありません

問題があるとすれば、本数に制限があるため、波平さん状態では手の施しようがないというところでしょうか。

その点、人工植毛には本数制限がありませんが、人工毛は自毛と比べて定着しにくいため、定期的にメンテンスをしなければならないという問題点があります。

現在、本数制限の問題を解決するため、iPS細胞を用いて毛根を培養する研究が進められています。一刻も早く実用化されることを願うばかりです。

ちなみにどの治療法も健康保険の対象外で、医療費は全額を払わなければなりません

ミノキシジルとプロペシアだけなら月々1万円台ですむこともありますが、高度な医療行為になると数十万円かかってしまうこともあります。

発毛するためには治療は継続する事!

AGA治療のポイントは「継続すること」です。

治療を始めたからといってすぐに効果が出るわけではなく、AGA治療の効果を実感するためには半年ほどかかるのが平均的です。

3カ月ほど治療して効果が出ないからといって、焦ってはいけません。

医療機関と相談しながら治療を進めていきましょう。

一番心配になるのが、治療を始めてしばらくして頭髪が一気に抜けてしまう「初期脱毛」という症状が出てしまったときです。

AGA治療をしているのに頭髪が抜けるのはなぜなんだろうかと不安に思えてしまうのは、十分に理解できます。

ただ、初期脱毛はプロペシアやミノキシジルによってヘアサイクルが整えられる過程で起きるもので、時間がたてば収まりますから、必要以上に心配しない方がいいでしょう。

心配するとストレスの原因になり、頭皮の血流悪化によってAGA治療の効果を下げてしまうのがオチです。

AGAを専門に診ている医療機関だと、無料カウンセリングを行っているところがほとんどです。

なかなか治療効果が出ないときや初期脱毛が出たときには、利用してみるのがオススメです。

そして、効果が出た後でも勝手に治療を中止してはいけません。

AGA治療は「一生もの」で、治療をストップすると元の木阿弥になってしまうからです。

例えばプロペシアの投与を中止すると、治療を始める前と同レベルのDHTが生成されるようになってしまいます。

DHTが元通りになれば、再びTGF-βやFGF-5の生成量が増え、ヘアサイクルが乱れて薄毛に戻ってしまうというわけです。

ミノキシジルについても同じで、塗布をやめると頭皮の血流が悪化し、頭髪がうまく成長しなくなってしまいます。

いずれにしても、AGA治療は効果が出る前も、効果が出た後も「継続」がカギになります。

効果が出ないからといって諦めてもいけませんし、頭髪が生えてきたからといって気を抜いてもいけないのです。

AGAは自然には治らない!

AGAはDHTによるヘアサイクルの乱れが原因で起きる疾患です。

進行が進んでしまっている場合は、頭皮の状態を整えても発毛効果は期待できません。

AGA専門クリニック等の医療機関でDHTの生成を抑制するなどの治療を行うことで、再びしっかりとした頭髪が生えてくるようになるのです。

治療法としてはプロペシアとミノキシジルを処方する方法のほか、治療薬と成長因子を頭皮に注入する育毛メソセラピーやHARG療法があります。

毛根が死滅していて効果がなければ、植毛を行うことが唯一の選択肢になってきます。

AGA治療は効果が出るまでに半年ほどかかるとされていますし、治療を中止すれば元の木阿弥になります。

決して焦ることなく、腰を据えて治療に取り組んでいきましょう。

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